高校生の就活の仕組みに風穴を!
高校生の現在の採用スケジュールや仕組みそのものが出来たのは、今から約60数年前の1950年代中頃です。
上記が高校生の就活・採用の流れです。すなわち高校生を採用したい企業はハローワークに求人票を提出し、生徒は送られてきた求人票をみて、就職担当の先生に相談、先生のアドバイスや親御さんと相談し学校経由で応募先に書類を提出し、9月16日に選考の解禁となるという仕組みです。
一見合理的にみえるこの仕組みには問題が多いのが現実です。
日本経済新聞の調査によると、全国の主要企業の19年卒の高卒採用計画は昨年に比べ8.2%増えたとのことです。求人倍率でいくとバブル期の雰囲気が残る1993年の2.72倍をうかがう2.37倍となっています。
では、高校生の選択肢はふえたのでしょうか?
企業の採用意欲とは裏腹に生徒の選択肢はあまり増えていないのが実態です。なぜなら高校生は企業に直接応募せず、学校経由で企業に応募書類を提出します。その際に基本的に応募できるのは一社のみです。(時期によっては複数応募が可能です)
選考を受けると大半のケースは内定となりますが、内定を得た時点で就活をやめる必要があり、複数の企業に接触しながら就職先を決める事が出来ないのです。
例えば、極端な事例で言うと、面接時にこの会社は自分に合わないかもしれないと気づいてもその時点で手遅れで、他に選択肢がないのです。すなわち職業選択の自由がかなり狭められているのです。
現在は18歳以上になると、選挙権があたえられ誰を選ぶかを投票出来る時代なのに、自分の就職先を自由に選べないという不思議な状況です。
この結果、大学生の場合は就職して3年以内の離職率は約30%なのにたいして、高校生の場合は40%となっており大幅に上回っています。
すなわち、この古い制度の弊害によるミスマッチが多いのが事実なのです。
都会では、このような就活に風穴をあけようとする企業も出てきていると聞いています。
たとえばLINEをつかって、高校生に就活の相談にのり求人紹介サービスをしたり、チャットで高校生に就活の支援をしたりする企業が現れています。
これは当然の流れであり、旧態依然のルールを温存していては若年労働者の能力を引き出せないばかりか、企業の競争力もそぎかねません。
新興のサービスが広がり、このような高校生の採用・就活の仕組みが早く見直されることを期待しています。