パーキンソン病に特化した「PDハウス」を全国展開|日本一、待遇のいい介護会社へ|サンウェルズ
介護にも専門性を
「パーキンソン病」をご存じだろうか。パーキンソン病は、脳の神経伝達物質ドーパミンの減少に起因する病気で、手足の震えや筋肉のこわばりなどの症状が現れる難病だ。65歳以上の100人に1人がかかっているとされ、高齢化が進む国内の患者数は増加傾向にあり、15万~20万人とも言われている。
このパーキンソン病に特化した介護施設「PDハウス」を運営するのが、金沢市に本社を構えるサンウェルズだ。PDハウス第1号を白山市に開設したのは2018年。06年に会社を立ち上げ、有料老人ホームやグループホーム、デイサービスなどを手掛ける中で、パーキンソン病の利用者から難病に対応できる介護施設の不足を嘆く声を聞いたのがきっかけとなった。
「病院に行く時は、病気やケガに応じて、内科にしたり、整形外科にしたりと診療科を選びます。対して、介護施設は値段や設備が主な判断材料になっていました。治療が必要な人たちにとって、幸せに生きていくための選択肢をつくりたかったのです」。サンウェルズの長山知広常務はこう話し、その言葉を裏付けるようにPDハウスには難病と向き合うためのサポート体制が充実している。
例えば、パーキンソン病には専門的な治療が不可欠であり、サンウェルズは全国90人以上の脳神経内科医と連携し、専門医による訪問診療を実施している。施設には理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といったリハビリのエキスパートがそろい、専門医監修のリハビリプログラムを実践。服薬管理を徹底し、症状の変化を見逃さないために、24時間体制の訪問看護も導入している。トップドクターとの共同研究にも力を入れており、先進的な知見をもとにパーキンソン病に対応した最適なサービスを提供している。
介護サービスに進化と変化を
2022年には東証グロース市場に上場。PDハウスを中核とした介護施設の運営に加え、サンウェルズは福祉用具のレンタルや加圧トレーニングなど、さまざまな事業を展開している。従業員数も1945人を数えるまでに成長しており、業界内からも熱い視線が注がれている。
そんなサンウェルズの躍進につながっているのが、「介護サービスに進化と変化を」というより良いサービスのために、介護の常識にとらわれず新たな挑戦を続けるというスタイルである。例を挙げると、古民家を改修し10人ほどの小規模に対応した民家型デイサービス、介護施設ながらリハビリができるサービスや、エステが受けられるサービスなどさまざまな取り組みに挑戦してきた。
長山常務もこのスピード感ある経営を、身をもって実践してきた一人だ。サンウェルズは、県内にPDハウスを開設した翌年に県外進出を果たしており、その最前線に立ったのが長山常務だった。舞台は福岡県。共同研究にあたる福岡大学教授と連携してのプロジェクトであり、見知らぬ土地で施設の広報・建設やスタッフの確保など、あらゆる業務をゼロから構築していくのは簡単ではなかったという。「準備から立ち上げまで福岡に1年ほど転勤していました。目の回る忙しさでしたが、挑戦の毎日はとても充実していました」と、長山常務は振り返る。
その後も、サンウェルズはPDハウスの県外進出を加速させており、2023年8月現在で関東や関西、北海道、富山など計26施設を展開。今後も続々とオープンしていく予定で、2030年までに全国100カ所に立ち上げる計画だ。
年間1000人採用、20代での施設長も
このように果敢な一手で、サンウェルズは急成長を続けている。それに合わせて採用活動にも力を注いでおり、2023年には2年前の倍増となる1000人の新規雇用を予定している。
とはいえ、採用するスタッフがみな、最初から専門スキルを備えているわけではない。「大学や高校で福祉や介護について学んでいなかったという方も非常に多く、新卒入社の8割以上は一般大学(経済学部、スポーツ学部、文学部等)や普通科高校で学ばれたスタッフです。さらにはその中から、20代のうちに60人以上をまとめる施設長にキャリアアップしたスタッフもいます」という。
サンウェルズには新入社員研修からリーダー養成研修、マネジメント研修などの教育システムがあり、これらは同社の大きな魅力の1つであると言えるだろう。介護職員初任者研修など、関連資格の取得支援制度も充実。入社後のサポートが整っていることやキャリアアップに挑戦できる環境があることが、専門的な学びがなくても入社を決める大きな要因となっている。
年間休日120日に拡大
サンウェルズは働く環境の改善も急ピッチで進めている。目標は高く〝日本一〟。国内で一番待遇のいい介護会社を目指し、2023年には介護職の年収を大幅に引き上げた。年間休日も3年前の107日から23年度は120日へと拡大している。介護の仕事といえば※3Kのイメージを抱く人もいるかもしれない。しかし、その状況は着実に変わってきており、中でも、サンウェルズは業界の変革を牽引するトップランナーの1社だ。
「私のビジョンの一つは、社員が誇れる会社にすることです」と長山常務。業界の垣根を超え、社名を聞くだけで誰もがあこがれる企業への成長が目標だ。それだけに走り続けてきたアクセルを緩めるつもりはない。未来に向けて積極的な事業戦略を描いており、ゆくゆくは海外進出も検討しているという。
「『若くしてキャリアアップしたい』『業界の未来を切り拓いていきたい』など意欲あふれる人と一緒に働きたいですね」。長山常務はこう言葉に力を込め、次代の担い手たちとの新たなチャレンジに期待を膨らませている。
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