個人も会社も、社会も|幸せの実現に向けた❝進化❞を止めずに歩む|イワイ|金沢|
変化できる者が生き残る
進化論を唱えたダーウィンは遺している。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一、生き残ることができるのは、変化できる者である」。この名言を実証するかのように、イワイは戦後の混乱が続く1946年に創業してから現在まで76年に及ぶ道のりを歩んできた。 1文字ずつ紙に文字を打ち付けるタイプライターの販売・修理を皮切りに、ワープロから複合機(コピー)、パソコン、アスクルへと、取り扱う製品は時代の流れとともに変わり続けている。過去の成功体験にとらわれることなく、時代の先を読み取って挑戦を繰り返す中で、バブル経済の崩壊や新型コロナの感染拡大など、幾度となく押し寄せた荒波を乗り越えてきたのだ。
イワイは事業の柱だけでなく、さまざまなソリューションを通して、顧客のビジネス環境も進化させてきた。とりわけ、近年力を注いでいるのが、DXやリモートワーク、セキュリティなどをキーワードにした取り組みだ。イワイでは、システムエンジニアをはじめとしたパートナーとの連携を生かし、IoT(Internet of Things)などの先進技術を盛り込んだソリューションを提供。中小企業の生産性向上や事務管理の作業効率化など、さまざまな困りごとに応えている。しかも、これらソリューションの企画・提案、導入にとどまらず、その後の保守・メンテナンスまでを一貫してカバーできるワンストップのサポート体制も、イワイの大きな強みになっている。
顧客との信頼が財産
長年にわたる歩みの中で築き上げてきた顧客との信頼関係は、イワイにとってかけがえのない財産である。3代目として会社を引っ張る岩井一平社長も若手のころ、つながりを強く意識する出来事があった。「営業としてお客様を訪ねた時です。『イワイさんがいるから安心して仕事ができる。なくなったら困るから倒産しないでね』と、冗談めかして声をかけていただきました」と振り返る。2023年春、イワイが顧客を対象に実施したアンケートでも同社の対応について「迅速」「親切」「丁寧」を挙げる回答が多く、高い顧客満足度が示されたそうだ。
とはいえ、現状にあぐらをかいていては、厳しい競争社会では瞬時に取り残されてしまう。イワイは今、これまで築いてきたノウハウや地域とのつながりを基盤としながら、現在の状況を冷静に分析し、未来に向けて飛躍していくための指針となるビジョンの策定に乗り出している。岩井社長は、「私たちが扱うのはモノではありません。付加価値を高めたソリューションです。何を売るかではなく、パートナーとしてお客様に何を提供できるかに軸足を置き、知恵を絞っていきたい」と断言する。
残業はほぼゼロに
変化に努めているのは、事業戦略だけではない。創業70年を契機に、働き方改革にも重点的に取り組んできた。社員アンケートを行い、その中から意見の多かった残業時間の短縮や給与アップを目標に、さまざまなアイデアを実践。その一つとして整えたのが、柔軟に働ける環境である。イワイでは、フレックスタイム制に改めるとともに、営業ルートによっては客先と自宅との直行直帰を認め、リモートワークもいち早く取り入れた。
加えて、グループウェアの活用で社員間の情報共有も図り、効率的な働き方も推し進めた。有給休暇制度も業務が早めに終わった際などに時間単位で取得できるように変更した。これらの改革を通して目に見える効果が表れており、社員一人あたり1日1時間ほどあった残業時間は現在、ほぼゼロにまで減少。かつてはみなし残業として支給していた手当を給与に組み込むことで、基本給もベースアップできた。
変化はさらに続く。2022年にもアンケートをもとに、長期休暇を取得しやすくし、副業もできるよう社員規則を変更した。「3カ月間、休みを取ってアメリカに出かけた者もいます。また、社員から新規事業の企画の持ち込みなども出てくるといったように、公私問わず好影響があります」と岩井社長。公私にわたって社員が輝ける環境づくりに邁進している。
自身の行動に責任を
このように社内外で活発な動きを見せるイワイの行動指針となるのは、いついかなる時も企業理念である。「『個人と会社と社会の幸せを実現する』。この企業理念はイワイの根幹です。トップだからといって外れた行動は許されません」と語る岩井社長。いくら会社に利益が出たとしても、社員やお客様にメリットが見えなければ、決して手を出さない。その逆もしかりだ。
当然、採用にあたっても、企業理念への共感が第一条件。加えて、コミュニケーションスキルが求められる仕事でもある。お客様の困りごとを聞くにしても、それを解決するために社内外の人と協力するにしても、しっかりと信頼関係を築くことが欠かせないからだ。技術革新とグローバル化が進む中、業界に関わらず、ビジネスを取り巻く環境は、大きくうねりながら常に変わり続けている。そんな潮流に飲み込まれないために、岩井社長は受け身ではなく、自ら率先して行動していく必要性も強調する。 「社会に出てからは、一つひとつの行動に対して責任を取るのは自分自身です。うまくいかないこともあるでしょう。ただ、その理由を会社や社会に押し付けているだけでは、何も変わりません。それに責任が伴うからこそ、成功した時のやりがいも大きくなるのです」。
こうメッセージを寄せる岩井社長も、先輩から受け継いできたバトンを次代につないでいく重責を担っている。だからと言って、守りに入るつもりは一つもない。次の時代を見据えた一手で、イワイはこれからも進化を重ねていく。
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